新型コロナ後遺症(いわゆるロングコビット)、その中の全身倦怠感持続にこのBスポット療法が約70%に効果ありとの発表が2021年9月19日の日本病巣疾患研究会で発表されました。
また、私の経験ではコロナワクチン接種後の持続する(1週間以上)倦怠感にも効果が見られます。お悩みの方は是非ご相談ください。
◇Bスポット療法について
「Bスポット」とは鼻の奥、のどちんこの上後ろの部分で、狭い鼻の後ろの穴から出た広い部屋の部分(鼻咽腔という)になります。
人が呼吸するかぎり、空気は必ずこの部分を通過しつづけます。その為、空気中のホコリやバイ菌がたまりやすく、そのため、たびたび炎症を起こしている場所です。この部分を塩化亜鉛という、昔から使われている消炎の薬で擦過する治療が 、Bスポット療法なのです。
何のへんてつもない治療法ですが、 このBスポットは普通の診察では観察しづらいため、今までほとんど治療されてこなかった部分なのです。「かぜ」のひきはじめはほとんどがまずこの部分ですから、ひどくならないうちに治療しますと、驚くほど早く治ってしまいます。
また、頭痛や肩こりもこの部分の炎症からの放散痛でも起こりますので、頭痛、肩こりにも効果的です。
また、この「Bスポット」に長い間炎症がありますと、気分不良が続くために、いつの間にか意欲が低下し、そのため心身症やうつ病、自律神経失調症などと診断されている場合もあります。子供では登校拒否になっている事もあります。
その他、めまい、関節リウマチ、習慣性扁桃炎、アレルギー(皮膚、鼻、喘息)などにも効果が認められます。
少し信じがたいと思われるかも知れませんが、実際、関節リウマチ、腎炎、掌蹠膿胞症(皮膚の病気)といった疾患の治療のために、 扁桃を摘出する手術が行われています(扁桃病巣感染と言う)。
その扁桃のすぐ上の部分が「Bスポット」なのです。
ところで、この治療法は私が考え出したものではありません。
東京医科歯科大学耳鼻咽喉科元教授の堀口申作先生が考案した治療法です。ただ、この「Bスポット療法」については学問的ではないということで、学会では全く取り上げられず、結果として一般の病院ではほとんど行われていません。
先生はこの治療をライフワークとして、亡くなられる直前まで約60年間続けておられました。私が1度先生を訪ねたとき「この治療は本当に良い方法です。この治療を受けている患者さんは長生きしますよ。」とおっしゃられたのが印象的でした。
◇Bスポット療法の効果と注意点
1、Bスポット療法で効果の見られる疾患
(1)感冒の初期
(2)めまい感、頭重感、頭痛肩こり、微熱
(3)鼻閉、いびき
(4)アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息、 掌蹠膿胞症
(5)関節リウマチ、膠原病、自律神経失調症など
※ただし、喘息、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、膠原病などは難病ですので、
きちんと専門の先生の管理が必要です。
※この「Bスポット療法」はあくまでも補助的な治療法と考えて下さい。
現在の治療を打ち切ってこの治療のみに走ることは大変危険です。
けっしてそのようなことはなさらないで下さい。
2、Bスポット療法の注意点
(1)炎症の強い人ほど、しみて大変痛い治療法です。
炎症が強い場合は1日中痛みが残る場合もあります。できれば、この痛みの強
い人ほど炎症があるわけですから、治療を続けたほうが効果がみられます。
(2)食事や飲み物は治療後すぐにとってかまいません。むしろすぐに飲み食いした
方が痛みが和らぎます。
(3)治療後、鼻水や痰が1時間ほどでます。そのためちり紙が必要になります。
また、炎症が強い場合、鼻や口から出血しますが心配は不要です。
(4)まれに、この治療後、逆に頭が重く感じたり、顔がむくむことがあります。
この現象も、Bスポットの炎症が強い事を示しています。
◇乳幼児の鼻の奥(Bスポット)の治療の重要性
鼻の奥Bスポットは、耳と耳管という管でつながっています。
また、下方は扁桃、気管(さらに肺)に通じています。
中耳炎の原因は、このBスポットが腫れ、そのためにそこでばい菌が増殖し、耳管を伝わって耳(=中耳腔)に入ったためです。
中耳炎を治すには、薬ではい菌を殺すのが一般的です。
しかし、この方法だけではばい菌増えすぎ、しかも強くなりすぎて(最近では特に耐性肺炎球菌が問題になっています)薬が効かなかったり、中耳炎を繰り返したり、さらに難治性の滲出性中耳炎に移行したりしやすくなります。
むしろ、ばい菌の増殖するこのBスポットをよく掃除してやり、ばい菌がつきにくくしたり繁殖しにくくしてやる。
その上で、薬を使っていく事が大切と考えています。
また、この部分がきれいになりますと、ウイルスやばい菌が増えにくくなるので感冒や扁桃炎、気管支炎などにもかかりにくくなります。